2010/07/27

ハンス・コパー展



パナソニック汐留ミュージアム「ハンス・コパー展」を見た。
個人的にはマンガンと化粧土を塗り重ねて掻き落としたテクスチャーがとても好きだが、本分は形だろう。自由な形を作ろうとすると、手びねりやタタラの方が有利だが、組み立てるパーツをあえてロクロで作っている。それが、作品のイメージがオブジェとして飛散しそうなところを、うつわとして求心力を持たせている気がする。

「彫刻を作っているのではない、うつわを作っている。・・・うつわらしさの概念を拡げてる」(図録より)という発想は、なにかとても西洋的な価値観に感じる。既存の価値観に対抗するという、前衛絵画や現代音楽などに通底する発想。

しかし、実際のハンス・コパーの作品を見ると、古代の土器や武器のようであり、逆に西洋的なものとは離れようとするベクトルを感じる。
もしかするとそれは、西洋からアフロを希求するジャズやロックが隆盛していた50~60年代の時代の空気と、作り手とが呼応していたのではないかと、勝手に想像してみた。

そういえば、私は常にうつわらしさを求めてるんだなと自分の立ち位置を確認する展覧会でもあった。

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